コトゴトの散文

日常のコトゴトが題材の掌編小説や詩などの散文です。現在は「竹取物語」を遊牧民族の世界で再構築したジュブナイル小説「月の砂漠のかぐや姫」を執筆中です。また、短編小説集をBOOTHで発売しております。https://syuuhuudou.booth.pm/

【詩】 偽悪的なあたし

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「あーもう、みんなバカバカ。バカばっかり!」

帰宅の道すがら

心の中で、大きく叫ぶ

大きく大きく大きく叫ぶ

 

今日の自分を思いだす

 

よく笑ってた

よく笑わせてた

みんなと協力した

ひとりでも頑張った

 

どれも、本当の自分

気取らない、自然な自分

 

だけど、それだけじゃない

あたしはそれだけじゃないんだ

 

もっとシニカルに

もっと皮肉っぽく

もっと果断に

もっと遠慮なく

もっと安きに流れず

もっと悪意に満ちていたい

 

なにも人に合わせていたわけじゃない

ただ、普通にしていただけ

 

それでも

一日の終わりに

偽悪的な自分を掘り起こして初めて

ようやく自分のバランスを取り戻せた気がする